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チェス初心者が学ぶべきオープニング7選!メリット・デメリットも紹介

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初心者のうちは序盤に時間を使ってしまい、後半に持ち時間がない!といった事態になりがちです。
それを避けるためにオープニングを勉強しようと思う人も多いと思います。
しかし、オープニングを学ぼうにも星の数ほどあってどれを学べばいいのかわかりづらい…。
 
今回は初心者向けに「まずはこれだけ覚えておこう」というオープニングを7つ紹介します!
それぞれのメリット/デメリットよくある展開について簡単に触れていきますので、気に入ったオープニングは更に調べてみてください。
 
メリット/デメリットは白か黒どちらかの目線で書いているので、両方合わせてそのオープニングの特徴と捉えてもらえるといいかと思います。
また、よくある展開はChess.comのデータベースで最も多く選択されている手筋を紹介しています。
 

e4から始まるオープニング

ルイ・ロペス(別名:スパニッシュゲーム)

1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bb5

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ルイ・ロペスは最もポピュラーなオープニングです。
1.e4 e5は序盤のセオリーに従ってセンターの支配を狙う1手です。
2.Nf3でd5のポーンを攻撃された黒は、2…Nc6という手でポーンを守ります。
3.Bb5でe5のポーンを守るナイトにプレッシャーを掛けてセンターの支配を狙いつつ、コマを迅速に展開しています。
 
メリット
・いろいろな局面の変化が楽しめる
・白は長期戦で力を発揮しやすい傾向がある
・白はコマをすばやく展開してキャスリングの準備ができる
 
デメリット
・研究されているためガチガチに理論的な手筋が存在する
・黒には防御する手段が豊富にある
・黒は後半に白マスビショップから攻撃をしかけるチャンスがある
 
よくある展開
1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5 a6 4. Ba 4Nf6 5. O-O Be7

イタリアン・ゲーム(別名:ジオッコピアノ)

1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4

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2手目までは先程のルイ・ロペスと同じ展開になりますが、3手目のビショップの位置で狙いが変わってきます。
3.Bc4で白はセンターの支配をしつつ、キングにしか守られていないf7のポーンを狙いに定めています。
 
メリット
・コマの展開をしつつ役割をもたせる自然なコマ運び
・センターに直接プレッシャーをかけられる
・すばやくコマを展開できる
 
デメリット
・c4のビショップを攻撃される恐れがある
・黒は即座にセンターを支配されるわけではない
 
よくある展開
1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bc4 Bc5 4. c3 Nf6 5. d3 d6

フォーナイツ・ゲーム

1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Nc3 Nf6

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このオープニングも2手目まではルイ・ロペスと同じですが、3手目でナイトを動かします。
3.Nc3 Nf6はセンターの支配を狙いつつ、コマを展開する序盤のセオリーに従った1手になります。
以前は前時代的で面白みのないオープニングと考えられていましたが、最近は見直されて人気が出てきたそうです。
 
メリット
・序盤のセオリーに従った自然なコマ運び
・理にかなっていて堅実
 
デメリット
・引き分けになりやすい
・クローズな展開になりやすい
・極端にシンプルな局面になることがある
 
よくある展開
1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Nc3 Nf6 4. Bb5 Bb4 5. O-O O-O

ツーナイツ・ディフェンス(別名:フライドリバー)

1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 Nf6

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これはイタリアン・ゲームの変化系の1つになります。
3.Bc4に対して3…Nf6とすることで、e4のポーンを攻撃しています。
ただし、4.Ng5に対して4…Nxe4としてしまうとf7の急所を突かれることになるので注意しましょう。
 
メリット
・黒が攻撃の主導権を握れる
・黒は黒マスビショップを比較的自由に動かせる
 
デメリット
・白の4.Ng5によってf7の急所が狙われる
・白はギャンビットによる素早い展開か長期的な展開を選べる
 
よくある展開
 
1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bc4 Nf6 4. d3 Be7 5. O-O O-O

d4から始まるオープニング

クイーンズ・ギャンビット・アクセプテッド

1.d4 d5 2.c4 dxc4

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ギャンビットとは「コマを捨てる代わりに展開やポジションでの優位を目指す」ことを指します。
クイーンズ・ギャンビットでは1.d4 d5 2.c4とすることで、クイーンサイドのポーンを捨てる手を指しています。
こうすることでクイーンサイドを開きつつ、黒よりセンターの支配を強めることができます。
「アクセプテッド」は黒がコマをテイクした場合のことを指します。
白はeポーンを動かすことで白マスビショップがc4に当たるので、効率的にコマの展開をしていけます。
 
メリット
・黒は多くのコマを自由に動かすことができる
・ダイアゴナルがオープンになる
・d4へカウンターする可能性を残せる
 
デメリット
・白のポーンがセンターに残る
・cファイルが白にとって有利なラインになる
・白の白マスビショップでc4ポーンを簡単にテイクできる
 
よくある展開
1. d4 d5 2. c4 dxc4 3. Nf3 Nf6 4. e3 e6 5. Bxc4 c5

クイーンズ・ギャンビット・ディクライン

1.d4 d5 2.c4 e6

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ディクラインでは2手目で相手の白のコマをテイクしません。
2...e6とすることでd5のポーンの厚みを増しつつ、黒マスビショップの道を開きます。
黒はc4のポーンを基本的にはテイクしませんが、Bd3としてきた場合に手損をさせる(テンポを得る)ためにdxc4 Bxc4とすることがあります。
 
メリット
・黒にとっては1.d4に対して最も守りの固い手筋と考えられている
・すばやくコマの展開をできる
・白のコマが
 
デメリット
・黒は白マスビショップの道を塞いでしまう
・白は白マスビショップが動けないことを利用した攻撃をしかける
・テンポを得るための戦いになりやすく少し高度な展開もある
 
よくある展開
1. d4 d5 2. c4 e6 3. Nc3 Nf6 4. Nf3 c6 5. e3 Nbd7

スラブ・ディフェンス

1. d4 d5 2. c4 c6

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スラブディフェンスは2手目がクイーンズ・ギャンビット・ディクラインと異なります。
黒は2…c6とすることでd5のポーンを守りながら、白マスビショップの道を塞がないようにしています。
また、c6にポーンを進めることでdxc4のあとにb5にポーンを進めてクイーンサイドの厚みを増す手筋も残せます。
 
メリット
・黒は白マスビショップの道を塞がない
・d5の守りを固めてセンターの厚みを増すことができる
・c4ポーンに攻撃を仕掛けることができる
 
デメリット
・黒はコマの展開が遅れる
・c6にポーンを進めることでb8のナイトの動きが制限される
 
よくある展開
1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nf3 Nf6 4. Nc3 e6 5.e3 Nbd7