ベルマークのない自由帳

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有益と無益の境界例

ザックリ誕生から問題点まで理解する「ブロックチェーン」

ビットコインの値段が高騰した」「仮想通貨が漏洩した」などの報道を毎日のように耳にするようになりました。
その中に度々登場する「ブロックチェーン」という言葉。
イマイチ実態がつかめないので調べてみました。
 

ブロックチェーンの誕生

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https://hackernoon.com/ecommerce-on-the-blockchain-part-two-895e006b1bb3より
ブロックチェーンという技術はビットコインの誕生と一緒だったと考えていいと思います。
というのも、ビットコインの創案者とされるサトシ・ナカモトという人物が発表した論文のなかでブロックチェーンが発案されたからです。
もともと「ビットコインを実現する技術」として考えられたということですね。
 

ブロックチェーンとは

ブロックチェーンを一言であらわすと
 
情報を分散管理することで信頼性を担保する技術
 
となります。
 
技術的な表現をすれば
P2Pを用いてブロックをハッシュチェーンでつないだもの
ともいえます。
 

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https://cripcy.jp/p2pより

P2Pという「データを個人に帰属させるネットワークモデル」を用いて情報の分散管理を実現します。

Decentralizing」という性質が注目されるのもP2Pが担う部分が大きいです。
情報を一元管理する従来の「中央集権的なシステムに対するアンチテーゼ」というコンテキストを目にすることも多いですね。
 
中央集権的なシステムにおいて「信頼性」は「その組織に対する社会的信頼」というものでした。
銀行がその典型で、銀行という機関に対する人々の信頼が「個人の情報」や「取引情報」の信頼に直結していました。
対してブロックチェーンにおける「信頼性」は、ブロックチェーンに参加するユーザーである「ピア」同士でデータを突き合わせながら妥当性、正当性を確認することで実現します。
よく「改ざん不能なシステム」と言われるのも、ピア同士で情報を確認し合うため改ざんを行うと情報の整合性が損なわれて「お前のデータおかしくね?」となるからです。
(厳密にはマイニングによるハッシュ値の整合性と再計算のコストによって改ざんが非現実的になります)
 
自分の知り合いに「Aさんって信頼できるの?」と確認すると、知り合いがそのまた知り合いに「Aさんって信頼できる?」と確認していき、どこかで「Aさんは信頼できる」という情報が得られると「Aさんは信頼できる」と信頼性が担保されるプロセスと同じです。
自分にとって信頼できる人(知り合い)が「信頼できる」とするAさんは信頼できる、というシンプルな論理ですね。
 

ブロックチェーンの問題点

従来の一箇所で情報を管理せずに、ネットワークに参加する個々人(ピア)による情報の突き合わせをすることで信頼性を担保するブロックチェーン
ではDecentralizingに代表されるメリットだけなのかというと、そうでもないようです。
以下の点がデメリットとして考えられています。
 
  • あるブロックチェーンを開発した人にもシステムを停止することは不可能
  • 悪意がある人でも簡単に参加することができる
  • 取引などの整合性を確認しあうため処理の遅延が生じる
  • 分散管理であっても機関による中央集権化が容易に実現可能
 
最後の点については政府などの機関がブロックチェーンを提供すると、トランザクションなどのトラフィックがすべて追跡可能になり「あらゆる経済活動の監視」が実現する可能性さえあるそうです。
 

おわりに

今回は「ブロックチェーンとはなんぞや」という視点でまとめました。
私なりのまとめとしては以下の2点です。
  • 機関による中央集権的な信頼性から個々人が情報を持つことで信頼性を実現するための技術
  • 当然デメリットもあり中央集権化を加速させる可能性もある
 
技術的な観点からは「ブロック」「マイニング」「フォーク」「Proof of Work」「ハッシュ関数」などがキーワードになると思います。
いずれ技術的な要素についてもまとめたいと思います。